概要
仕事をしている中で、ミーティングの会話の中で誰かの発言に対して、俯瞰的に見る事ができないことに気づいた。
1個1個をゆっくり説明されて1個1個を理解していけば、把握できるものの
パラパラと説明されて、それを自分の中で消化した上で、自分の意見を言うということが難しかった。
そのために、自分の理解に抽象度を含めることで自分の意見への変換ができるのではないかと考えたところからこの本を読みはじめました。
この本に関連して具体と抽象も読んでみようと思っています。
メタ思考とは
自らの視点を一つあげて、自らが思考に関してある壁に閉じ込められた「囚われの身」になっていることに気づくこと。
自分がいかにバイアスがかかった状態で思考を行なっているかを知るところから始まる。
そのために、自分の見えてる世界と、他人が見えている世界は異なるということをまずは認識する必要がある。
基本的に人は、自分の世界にどっぷり浸かった状態で自分自身をみているので、自分のことが見えていない。
例えば、「他人の悪口をネットで言ってるやつは許せない」とネットで悪口を言ってるなど。
こういった自己矛盾を抱える傾向があるので、一つ上からの視点で客観的に見ることが必要になる。
そうすることで、
無知の無知
自分がそれに気づいていないということに気づいていないということが無知の無知となる。
そしてそれが最大の問題点なのである。
この状況は、自分の価値観と反する事象に遭遇した時に、「相手がおかしい」と思うのではなく、「何か自分が理解できない世界がある」と受け入れることが大事。
LINEで病欠の連絡をすることに対する考え方の違いなどが当てはまる。
そのものについて考える
メールでの病欠の連絡が非常識かどうかは、時代の変化によって起こりうること。
つまり、電話->メール->LINE などと変化しただけで、
根本的には連絡することが問題なはずなのに、このように手段によって議論を生み出してしまうのは
自分の中で凝り固まった思考があったということに気づくことが重要。
メタのレベルで考える
メタの視点で考えるというのは、三段階に分けられる。
上記で記したものが第一段階となる。
Why型思考、アナロジー思考については後述する。
Why思考型
よく仕事とかでも、なぜ?を繰り返すことで本当の価値や答えを引き出すということを言われる。
その方法を具体的にやってみる。
例えば、上司に「○○について調べて報告してほしい」と言われる。
この時のアクションとして
- インターネットで検索する
- 社内で詳しそうな人に聞いてみる
- 関連書籍を買う
などのアクションがある。
しかし、その命令の真意を見つければ、手段は変わってくるかもしれない。
なぜ、それについて調べる必要があるのか?
という質問を自分に投げかける。
その結果を何に使うのかなどの疑問が浮かぶと思う。
そうすると、そもそもの目的を確認するという選択肢も上記のアクションに追加される。
これは、思考性の具体性、実効重視のHow志向と、目的重視のWhy志向かによって変わってくる。
問題を俯瞰的にみられるようにすることが、一つ上から考えるということ。
5W1Hの中で、Whyだけが具体化のための疑問詞になります。
問題の所在を知るには、この疑問視を使う必要があるということ。
定義し直し
先ほどの命令に戻ります。
この目的がどういう意図があったのかを知る事ができれば
もしかすると別のアプローチを取る事ができるかもしれないと考えられる。
つまり、目的の定義を変えてしまうのである。
「近くのマクドナルドを探して」と言われた時に、本当の真意は「バーガーが食べたい」というだけだったなら、「近くのバーガーキング」でも「近くのモスバーガー」でもいいので、もしかするとマクドナルドより近いかもしれない。
そのように、定義を変えてしまうことで、自分の行動を最小限に最大の成果をあげることができる。
例え、「マクドナルドのバーガー」という絞られた真意だったとしても、行動に優先順位がつけられる。
店を探すより、Uberなどで頼んだ方が早いとか、行く手間が省けるなどを考慮することも可能になるだろう。
これによって、どの土俵で勝負するかといったことがメタ思考になる。
戦略と戦術で
戦略は、どの土俵で戦うかに焦点を当てる
戦術は、いかに自分の得意な領域に勝負を持ち込むのかというところに焦点を当てる
これを問題解決に利用する。
Whyは時間を超える
因果関係を知る手段なので、現在と過去、現在と未来をつなぐ時間を超えた手段ということ。
Whyだけが次元が異なるということになる。
注意点
2つ弱点がある。
一度立ち止まって考えなくてはならないという点で、時間がかかるという点
なぜ?という問いは人に対して不快な気持ちを抱かせる可能性があるという点
人は、他者を一般化したがるが、自分だけは特殊化してしまう傾向がある。
それによって、視野が狭くなってしまう傾向がある。
これは、物事を具体的なレベルでしか見る事ができておらず、抽象化してメタの視点で見ることができないことが原因。
もう一つは、新しい活動に反対したいとか、変化を嫌うことによるもの。
組織の活力
手段の目的化の発見
上記のようにWhy?を突き詰めることをしなくなった人が増えてきた職場では、思考停止状態になってしまう。
その結果、習慣化してしまい、繰り返すことに疑問を抱かない状態が生まれ、定例会議やルーチンワークが増えていくということが考えられます。
会議はビジネスの場では必須なことではあるが、手段の目的化によって、会議を開く事が目的になってしまって、非効率な会議が開かれるということになってしまう。
目的から見る競合
吉野家の牛丼を食べる人は、「松屋」か「すき家」かなどと考えているかどうか
ビジネスマンのランチタイムであれば、素早く食べれるところを考えてるところの可能性が高い。
そうなると、ライバルになるのは「立ち食いそば」や「カウンター席のみのカレー」などがある。
目的によって競合は変わってくる。
メタの視点で考えることで、同じものを扱うものだけがライバルではなく、その1つ上の視点で見ることで、ライバルの視野を広げることができる。
whyを突き詰めることで上流での戦いを行うことができるのである。
例えば、コンペで負けた時に、「他社と比較した結果、値段が安い方を選んだ」と言われてしまったら
値段が高かったから という言い訳をしがちだが、ここで値段のせいと言ってしまうことは思考を止めることと同意。
もう一つ上流の考え方を持って対策をとれば、次のコンペの時は別の手段が生まれて、値段以外のところで対抗できるかもしれない。
そういった思考停止に陥らずに、whyを突き詰めることが大事になる。
これは、忙しいから という言い訳も同様である。
言葉通りの受け取り方ではダメ
現場の人が「これだから現場を知らない人は困る」という言葉を聞いたことがあると思う。
この時、じゃ現場を改善するために、現場の人の声を全て反映すれば良くなるかというとそうではない。
それどころか、突然変えたりしたら「なんでいきなり変えたの?」というようになってしまう。
これは本社と現場、部下と上司、営業担当とお客様との関係で大いに発生する問題だと思う。
物事を具体的なレベルで見ることができず、抽象化してメタの視点で見ることができないことが原因。
もしくは、新しい活動に反対したいとか、変化を嫌っているだけという仮説もある。
人は、自分を特殊と思い込みたく、世間を一般化したいという思想を根本的に持っているため。
解決するために
常に習慣化してしまった行動に対して目的を問うていく姿勢が大事になる。
定例会やルーチンワークが増えてきた時に、本当に必要かどうか問いていくという必要がある。
どういったものがあるか
- 調査
- 分析
- 調整
- レビュー
- 管理
- システム導入
- 統合
- 見える化
アナロジー思考
アナロジーとは?
類推のこと
類似のものから類推すること。
パクリとアナロジーの違いについて見ていく。
パクリ
抽象度の低い、つまり具体的なレベルでの真似。
具体的なものとは、直接目に見えるもの。
つまり、形に表れているもの
アナロジー
目に見えない類似性や、関係性や構造のレベルで類似性を用いるもの。
アナロジー思考の基本は抽象化の考え。
アナロジーのプロセスは、「抽象化」と「具体化」の組み合わせによって成り立つ。
抽象度が上がれば上がるほど、汎用性が上がる。
そのため、遠くの世界が一緒に見えてくる。
アナロジーの重要性
アナロジーは不連続な発想を生み出すことができる。
論理思考とは対をなすもので、一貫性や連続性、つまり飛躍がないこととは反対のものであることを指す。
飛躍を起こすためのものである。
ビジネスの場でいえば、
一つには、期限が短くなっている昨今の状況により、過去の経験やデータを参考に方向性を決めるのでは合わなくなっているので、アナロジー思考は重要になる。
例えば、オンデマンドマッチングモデルや、シェアモデル、サブスクリプションモデルといったものがある戦略オプションの中ではアナロジー思考にする必要がある。
二つには、さらに新しい概念を理解する力が求められる。
たとえ話の力が重要になってくる。例えば、Fintechなどのような抽象度の高い概念に対して。
三つ目には、二つ目にもある複雑な事象を他者に簡単に説明するということになります。
アナロジーの弱点
アナロジーは、ぶっ飛んだ発想が大事で、仮説を立てる時に役立たせることができる。
しかし、いわゆる荒っぽく、大雑把な議論になりがちであるところが弱点になる。
ざっくりと理解したり、大きな方向性を考えたり、仮説を考えるのに向いてる思考法である。
関係性の類似
物事の比例を行うことでその関係性と類似のものを想定することができる。
AがBに変化する という関係性を CがDに変化する に当てはめることができる。
例えば
兄:弟 = 姉:妹
のような関係である。
二者間のみということで基本形ではあるが、複雑な関係性=構造というのも、つきつめると単純な関係性の組み合わせになっているということ。
IQテストにも同じようなものがあり、図形の関係性が同じものを当てるという問題もある。
ハエ取り草から学ぶ
ハエ取り草は、ハエが入ってくると閉じて捕獲する。
しかし、ハエ取り草は植物なため、自身を動かすだけでもかなりの労力を要する。
つまり、ハエを検知して間違えた場合、労力の消費が無駄になってしまうことが大きい。
このことから
- 非常に重要でありながら、「誤作動」が許されない
- しかも身長すぎては大事な機会を逸してしまう
という特徴を持つ。
1回目の検知ではハエ取り草は閉じない。
2回目の検知で閉じる。
その習性を応用し、火災検査地の作動などがあげられる。
職業別共通点
経理業務とスポーツ審判の仕事上の共通点
それは、両方とも人間相手の仕事というのもあるが
間違えなくて当たり前
ちゃんとやってもほめられることがなく、目立つときは失敗したとき
という点。
このような抽象化された切り口で見ると、一見異なる職業でも類似性があることが分かる。
まとめ
メタ思考について
- why思考
- アナロジー思考
について多くの練習台が多く用意されている本でした。
これをすることで、相手の意図を汲み取り、そのまんま行動人にならないように気を付けることができます。
それは最終的に仕事のやりかた、仕事上での動き方にも影響が大きく関わってくるため、上流思考ができることで
自分の評価なども変わることでしょう。
自分もよく、いろんなことを英語の学習や、プログラムの学習に例えて考えることが多いです。
このプログラミング言語ではこう書くけど、こっちではこう書くなど、関連性を持って見ることで新しい閃きも生まれる時があります。
言葉だけを受け取るのではなく、その真意を考える癖をつかせるといいかもしれません。