ugo's 読書感想文

読んだ本のまとめや学んだことを書いていきます。

SCRUM MASTER THE BOOK

自己組織化

スクラムにおける自己組織化は、スプリントゴール、バックログ、動作するプロダクトを期間内にデリバリーすることに限られる。 あるメンバーにとって気二位いらないことがある時は、チーム全員で話し合ってお互いを理解し、協力や助け合いの方法を変えていかなければならない。 重要な特徴として、一人ひとりのマインドセットがある。 良いチームは、「私」ではなく、「私たち」の姿勢を持っている。 「問題を解決するために、チームを手助けできることはありますか?みなさんのお役に立てることはなんでしょう?」 というふうに考えられるようにすること。

自己組織化したチームは一つの生命体となる。 チームメンバーが、自分自身ではなく、自己組織化したチーム全体のあり方に責任を持ち、説明責任を果たし始めたら、偉大なチームの一員へと一歩近づく。 スクラムマスターは、チームを「個人の集まり」ではなく、「一つの存在」として認識していけるように重要性に気づいてもらわなければならない。

スクラムマスターの責務

  • チームが責任を持つように促し、共通のアイデンティティと目標に沿って行動することを支援する
  • 透明性とコラボレーションを推進する
  • チームの自発的な行動を促すことを通じて、障害物を取り除く
  • アジャイルスクラムの考え方を理解し、自分自身も学び続ける
  • アジャイルスクラムの価値を維持し、他の人がスクラムを視界し、実施するのを助ける
  • 守るべきときは、開発チームを守る
  • スクラムのミーティングをファシリテートする
  • チームがより効率的になるよう、手助けする

チームメンバーと兼務

デメリット

システム全体を俯瞰する視点とシステム思考の能力を欠いてしまう。 リーダーシップやチェンジマネジメントのスキルを欠くこともある。 チームの能力を向上させることに気が回らない。

メリット

メンバーの一員なのd、チームメンバーの間には相互に信頼がある。 スクラムの基本とチームの弱点を理解しているので、レトロスペクティブで指摘を入れることができる。

結果

重要性が低いものとみなされ、完全に消滅してしまうこともある。

プロダクトオーナーと兼務

デメリット

相反する関係になる。 スクラムマスターは、デリバリーの責務を担うべきではない。 デリバリーの責務はプロダクトオーナーの責務。

メリット

チームメンバーの一員として扱ってもらいやすくなる。

結果

スクラムマスターの役割は淘汰され、POがすべてをコントロールするようになる。

マネージャーと兼務

デメリット

命令的になる。 コーチングせずにメンタリングに頼る。 メンバーとの関係性を欠いたものになりがち。

メリット

優秀なマネージャーはリーダーであり、チェンジマネジメントの経験があるため、移行期間中の対応がより素早くなる。

結果

ほとんどのマネージャは組織を率いることを夢見るので、スクラムマスターをやったとしても一時的なものになる。 自己組織化、自己肯定感、当事者意識が弱くなりがち。

複数のチームを兼務

デメリット

時間が足りない。 早めに議論をファシリテートし、対立が大きくなるのを防げないと、かなり難しい仕事になります。

メリット

このスクラムマスターは素早く学び、困難な問題を解決する経験を豊富に持つ。 理想は、2チームまで、最大でも3つまで。 3つでも手が余る場合が多く、必要な情報が不足し、衝突を防いだり、チームを次のレベルに高めたりすることができなくなるため。

結果

システム思考に秀でることが多い。 チームは一つ一つ異なることを理解しているから。 多様な文化に合わせてスクラムをうまく実装できる。

スクラムマスターはリーダー

スクラムマスターはリーダーシップを取る職務になる。 創造性、ビジョン、直感が必要。 共感力があり、聞き上手で、いつでも関係性を修復する準備ができている。 組織をまたいだコミュニティを構築できる。

スクラムマスターの役割

ティーチングとメンタリング

スクラムアジャイルの基本的な進め方を伝えるもの。 自らの経験に基づき、効果的なプラクティスや手法を提案する。 アジャイルへの移行の序盤では、何度も繰り返し説明しなければならない。 それぞれのプラクティスがなぜ組み込まれ、どうすればうまくいくのか、チームが理解しきれないから。

障害物の除去

仕事の前にこの質問から始める。 「チームがもっと仕事をしやすくするために、私はなにができるだろうか?」 チームを手助けする一つの方法は、障害物を取り除き、効率よく仕事ができるようにする。

ファシリテーション

会議や、会話には、ゴール、成果物、期待する結果が明確に定義されているべき。 ファシリテーションを行う際は、議論の内容や解決策について絶対に干渉しないのがルール。

コーチン

偉大なスクラムマスターが持つべき最も重要なスキルの一つ。 一度習得してしまえば、信じられないほど強力。 スクラムにおけるコーチングは、個人の成長だけでなく、チームの自己組織化、責任、オーナーシップにも焦点を当てる。

スクラムを始めるにあたって知っておくべきこと

スクラムの背景にあるダイナミクス(動力学)や原則を理解する必要がある。 以下はフェーズに合わせた事象と、スクラムマスターが行うこと。

障害物

スクラムマスターは、チームの障害をチームに気づかせて、自分たちで解決するように進める方法がある。 それを怠ることで、チームの秘書になってしまい、チームは誰かが問題を解決してくれるのを待つような自信のないグループになってしまう。

立ち往生

ある程度長い間スクラムをやっていて、良いスクラムチームではないが、問題に感じてる程でもないチームにある話で スクラムマスターはチームに何をすべきかをいうものではない。 場合によっては、そのようなスクラムマスターはチームから受け入れを拒否され、チームを去るしかなくなる。

責任

自己組織化もできているチームでは、ファシリテーションが役割を果たしてきたと言える。 次のアプローチに進むため、ミーティングの進行を任せるべき。 軽いタッチのファシリテーションの準備をし、チームに空間を与え、信頼する。 もし、間違った方向に議論が行った場合はコーチングをする。 ここではスクラムマスターは、注意深く耳を傾け、何が起こっているのかを把握し、必要なら手助けをできるように準備を整えておく。

偉大なスクラムマスターに必要なこと

それは「観察」になる。 チームの議論を促したり、チーム自身で決めるよう問いかけたり、問題解決を試みたりといったことをチームに代わってもらい、観察する。 全部なる早で問題解決してチームを作業に戻したい衝動に抵抗できれば、「自己組織化したチームを作る」という目標に大きく近づく。 観察する役割まで一歩下がり、どのアプローチをなぜとるかをチームが判断することを強く促すから。 傾聴することは、コミュニケーションや意思決定をする上で最も重要な要素の一つ。

偉大なスクラムマスターを目指すためのヒント

  • スクラムマスターの心理状態モデルのうち、どのアプローチを取るかを決める前に、観察する。
  • チーム自身で障害物を取り除くよう手助けすることを通じて、障害物を取り除く。
  • ファシリテーションとは、会議を開催したり、本を読んだり、研修に出ることだけではない。
  • コーチングで重要なのは、あなたの経験ではなく、良い質問をする能力。
  • スクラムマスター道の3つのレベルすべてに取り組む。開発チームのレベルのみにとどまってはいけない。
  • アジャイルスクラムは、偉大なスクラムマスターの働き方と生き方そのもの。

メタスキル

ある状況において意図的に取る態度、考え方、スタンスのこと。 具体的なスキルを引き出す、より抽象的なスキルのことを言う。

スクラムマスターのメタスキルは

  • ティーチング
  • 傾聴
  • 好奇心
  • 尊敬
  • 遊び心
  • 忍耐

状況に応じて適切なものを選び、意図的に使用することがとても大事。

クネビンフレームワーク

hirolaboratory.com

コンピタンス

理論だけではなく、スクラムマスターは気づきを得るために、幅広く物事を調べる必要がある。 カンファレンスに参加して、他の参加者や講演者とリアルな状況について話し合うのも1つの手。

  • 説明と経験の共有 アジャイルに関する概念をさまざまな相手に売り込んで、強く関心を引き、夢中にさせることができないといけない。 実際の経験がないと、特定のプラクティスや成果物を採用するのは難しい。

  • ファシリテーションコーチング 自分の経験は置いておいて、傾聴と好奇心のメタスキルを適用し、チームに決定してもらう。 チームを信じ、自分より良い解決策を思いつくように自分なりの解決策を考えつく手助けをする。

コアコンピタンス

3つの知識 - ビジネス知識 - チェンジマネジメント - 技術知識

どのコンピテンスを持っているか

について、どれが足りないかを考えていく。

チームビルディング

タックマンの集団発達モデルというのがある。

  • フォーミング(形成期)
  • ストーミング(混乱期)
  • ノーミング(統一期)
  • パフォーミング(機能期)
  • 変動

チームの機能不全

信頼の欠如

それぞれの人は、他人にはない専門性、特別な技術知識、業務領域のノウハウを持っていると信じている。

そのため、サイロ(外との断絶した世界や領域、中に閉じこもった状態)を守りたい。

衝突への恐怖

ニセモノの調和を取り繕う傾向がある。

領域ごとに分けているのに、議論に時間を使うのを避ける。

1つのユーザーストーリーに協力して取り組むなんて意味がない。コミュニケーションに不必要な混乱を生むと思っている。

コミットメントの不足

次のような言葉は低レベルの信頼の欠如によるもの。

スプリントの終わりまでに、何を終わらせられるかは言えない。何が起こるか分からないのだから。

自分の担当部分はすぐ終わるけど、他人の分はなんとも言えない。

説明責任の回避

スプリントの終わりには、できなかった理由をつけて例外扱いし、次のスプリントにも同じ量の仕事ができると計画する。

時々起こりうることではあるが、定期的に起こるなら、機能不全である。

結果への無関心

顧客に価値を届けるという目標に対して、担当範囲のコーディングやテストだけを終わらせるという関心しかない状態をなくす。

スクラムマスターのやること

達成したいことを明確にし、なぜ達成したいのかどのように達成するのか、計画の実現を目指すようにする。

チームの協定や、ワーキングアグリーメントを作成するように支援しないといけない。

守りの姿勢

チームが提案した時に守りに入ってしまうことがある。

例えば、2週間スプリントを1週間スプリントに変える時などは、変化を恐れて守りに入ったりするなど。

それを変えるための提案も、今の結果に満足することで守りに入る。

壁を作る

自分のアイデアを何度も繰り返して、他の人のいうことに耳を傾けない。

自分がやってるので、自分のやり方でやる。他の人がやる時はその人のやり方でいいよ、というようなことを言うこと。

直接的ではないが、最後は同じ結果になる。

これは、仕事のやり方がバラバラな個人の集まりとして働くことになる。

侮辱する

君何も分かってないね

とうようなことを言う。

これは非常に険悪なものに発展する。

責任

問題が起こると、頭の中の思考では解決策を考え始める。

順番に以下が頭の中で行われる。

  • 否認
  • 責任転嫁
  • 正当化
  • 回避
  • 義務
  • 放棄
  • 責任

解決: バグが報告された時、修正するだけでなく、再発防止に次回はどこを変えてみるかを議論する。

部族としての組織

スクラムバット

  • ステージ1 ほとんど起こらない。 ストリートギャングなどで起こるようなこと。 人生は最低だ。の文化のこと

  • ステージ2 アジャイルの環境では、移行の初期の段階でこのステージに陥る。

「自分の」人生は最低だ。に移行する。

このこときから、スクラムバットが発生する。

スクラムバットとは、スクラムを一部を取り入れてはいるものの、やっていない部分やうまくできていないところがあることを言う。

  • ステージ3 自分はすばらしい、でもあなたは違うフェーズ。

一人一人が成功体験を持つ必要がある。

このステージでは、人々は個人的な成果や肩書きが重要だと思っている。

自分は人よりよくがんばっているという感覚を持っている。

このステージのSMはチームを過小評価している。

  • ステージ4 チームとして一つの目標を持っていて、競争に興味がなくなるフェーズ。

人々は自分達は最高だと思っている。

チームは自己中心的ではなくなり、外に目を向け始める。

そのためには、個人として活躍するための十分な場を与え、十分に評価しなければ、チームは真にアジャイルの文化になる準備ができていないのでスクラムは失敗する。

重要なことは 1. 個人の評価よりもチームの成功の方 2. 一般的に、周囲と競う気持ちは弱まる 3. 自分達はすごくて、他の人たちを手助けもできる

  • ステージ5 これまでの続き。競争力は弱まる。

アジャイルコーチの中にはこのレベルで仕事をしている人がいる。

つまり、他のアジャイルコーチを競合とみなさない。

業界全体を良くしていこうという考えでいるため、お互いが協力し合い、市場を成長させる。

変化の実装

アジャイルの車輪は、変化のタイミングや理由が正しいか、判断するのに役立つエクササイズになります。

顧客満足、生産性、市場に出すまでの時間、チームの健康、チームのコラボレーション、チーム外とのコミュニケーション、継続的改善、効率性、品質、変化への反応、顧客からフィードバックを得る、デリバリーの予測可能性から成る。

半年後にはどこにいたいかの期待値を評価として、円の中央を最小として、パラメータをふってみる。

どこが改善点か見えてくるでしょう。

行動を変える

変化をエッジとして見る。

エッジとは、既知と未知の境界線。自分自身について知っていることの限界。

新たな行動、アイデア、視点を試す時はいつでも、エッジを超えている。

チームと個人が成長し、変化する限り、常に新天地と探索すべきエッジがある。

SMとしての役割は、あらゆる変化の中で乗り越える小さなエッジを理解し、個人、チーム、組織がエッジを乗り越える手助けをすること。

そうすると、SMの心理状態モデルのうち、最も適したアプローチはコーチングになる。

人々がエッジを乗り越える準備ができたら、いつでも手を差し伸べ、力の限り助けるべき。

変化を成功させるための8つのステップ

  • 危機意識を持つ

変化を必然にする。

人は痛みを感じるまで改善の必要性を感じない。

正当な動機と理由があれば、変化は起きる。

正直で透明性のあるものを提示していく。

  • チームをガイドする

アーリーアダプターに焦点をあて、1人では難しいことをチームの一員になってもらって乗り越えるように働きかける。

広範な人々を巻き込みたいなら、組織構造にとらわれるべきではない。

  • 変化のビジョン

変化のビジョンとその戦略を練る。

何円何百というアイディアを人々が理解できるよう、その変化について明確かつシンプルに説明できるようにする。

変化を推進するチームのメンバー全員が、5分以内に説明できるようにする。

  • 理解と了承

人々はさまざまな不安を抱えている。

置かれている状況も違えば、やり方を変えることの影響もさまざま。

優れた傾聴のスキル、状況把握、人々の情熱を引き出す能力が必要となる。

新しいアイデアを受け入れるのに時間がかかる人には、忍耐も必要となる。

  • 人々の行動を促す

チェンジマネジメントのこの部分は、SMがやることに近い。

人々の行動を促すために障害物を取り除く必要がある。

人々への感謝と称賛を忘れずに、変化に向けて行動していきましょう。

  • 短期の成功

成功を頻繁にアピールする。

長期的ビジョンや野心的なゴールを持つ。

ポジティブな雰囲気になる。

失敗を隠さずに、この瞬間を大事にすることを行う。

失敗を隠すことは、良からぬうわさが立つリスクにつながり、これまでの努力を台無しにしてしまう可能性がある。

  • 気を緩めない

望ましい状態に到達していないのに、あまりに早く「完了した」と認識してしまったために、変化が失敗に終わることがある。

まだ新しい状態が定着していないので、遅かれ早かれ以前の習慣に戻ってしまう。

しかるべき階段を越えたら、変化をする必要がなくなるわけではなく、完璧などない旅なので完了するということもない。

  • 新しい文化を創る

定着させること。

新しい働き方を組織の文化にとって不可欠なものにする。

フィードバックに基づいて計画を変えていくという言葉が出て来れば良い方向。

ポジティブさを高める

レトロスペクティブでは、基本的に褒めたり、いいところについて話し合う会にする。

この先続けたいことや、もっとやりたいことについて話すことに費やすようにする。

ネガティブな要素は、1つのネガティブイベントに対して、3〜5つほどのポジティブイベントが含まれるべきである。

ポジティブな出来事を見える化し、成功を祝う。

そして、どれだけ状況が厳しくても、パニックにならず、ポジティブさと笑顔を増やす。

ファシリテーション

ファシリテーションは、すべてのスクラムマスターのコアプラクティス。

ファシリテーションとは、議論の枠組みと流れを定義すること。

優れたファシリテーターは、柔軟でアジェンダを変更する準備ができている必要がある。

馬の熱量を把握し、それに応じてフォーマットを調整する必要がある。

やるべきこと

  1. ファシリテーターは、内容ではなく議論の枠組みに責任に持つ
  2. 開始前に各会議の明確な目的と成果物を定める
  3. 会議の目的とアウトカムを参加者と一緒にレビューする
  4. 会議の開始と終了の際に、チェックインアクティビティを行う
  5. パーキングロットについて説明し、使っていく
  6. 自分の計画に必要以上に執着しない。もしその計画がうまくいかないなら、状況やチームのニー時に合わせて変える
  7. 人々の理解を深め、さまざまな意見を得るため、議論の幅を広げたり、狭めたりする。

コーチン

すべてのスクラムマスターにとって最も重要なスキルの一つ。

自己認識と自己実現を呼び起こすこと。

創造的な解決策を考え出し、自分自身を成長させる目標を決める際に役立つ。

人の潜在能力を解き放ち、パフォーマンスを最大化する。

傾聴のスキルに注目する。

アドバイスを与えるのではなく、人々が自分自身の解決策を考え出す手助けをする。

独自の解決策を生み出すべきで、あなたの唯一できることは、鏡を調整して気づきを与え、新しい視点を見つけてもらうこと。

根本原因調査

  • 予測可能性 何が、どこから、いつ、誰が、なぜという質問を行う。 フィッシュボーン呼ばれる。
  • なぜなぜ5回
  • 品質が低い

まとめ

スクラムを行う上で必要な知識や、最低限の行動などの指針となる参考になった。

スクラム初心者や、僕のようなスクラムマスター未経験からスクラムをやるってなった時でもこの本を参考にすることで、ある程度スクラムのイメージはつくと思う。

これまで少し漠然としていたスクラム像が、当本を通して少し具体化したように思われる。