概要
童話でわかるプロジェクトマネジメントを読んだので、学んだことをまとめようと思います。
この本を読み始めた時点で、エンジニアリングマネージャーやプロジェクトマネジメント系の本は3冊程読んでいました。
それも連続で読んでいたので、かなり頭の中に、それ関連の知識や考えの回路が構築されている状態で読んだので、とてもスムーズに頭に入ってきました。
しかし、それを抜いても分かりやすい本だったと思います。
まず、童話というのは子どもに話す様な物語が多く、多くの人が知ってる内容やストーリーなので、プロジェクトマネジメントにおける用語や状況と置き換えした時にとてもイメージしやすいものでした。
三匹の子豚や、シンデレラ、ヘンゼルとグレーテルの様な、多くに人に馴染みのある話がプロジェクトマネジメントの視点で見ると、こういうステージに適しているといったような説明ができるというのは面白い視点だなと感じました。
その上で、PMBOK に対応し、前段階という知識をつける足がかり的な役割を担っています。第7版にも対応済みということですが、第6版までの知識でも重要なところは変わらないため、6版以前の話を盛り込んだ内容が大枠になります。
僕自身はまだPMBOKを読んだ事がないので、この足がかりを読んだ今なら次のステップとして読み進めてもいいのではないかなと考えているところです。
プロジェクトの進行・用語
プロジェクト:
決められた期間内に、今まで誰もやったことがない新しいプロダクトや、サービスなどの成果物をつくる業務
「何を」「どこまで」「期限内か」「予算内か」「資源は十分か」「品質基準を満たしているか」を制約条件とし、プロジェクトを成功させること。
プログラム:
複数の関係するプロジェクトをまとめたもの
各プロジェクトの調整などを一つ上の目線で行い、全体の目標を達成するための活動。
ポートフォリオは、プログラムやプロジェクトをまとめて、どれを優先的に進めるかや、各活動の調整や監視を行うことで、資源の配分を見極める。
PMBOKにおけるプロセス群
プロセス群とは
PMBOKでは、プロジェクトの知識体系をプロセスごとに分けて整理していて、プロジェクトの目標を達成するためにやるべきことを指す。
5つのプロセス
1. 立ち上げ
プロジェクトを定義し、認可を得るプロセス
2. 計画
プロジェクトの目標を達成するための全体的な計画を立てるプロセス
3. 実行
計画に従い、実作業を行っていくプロセス
4. 監視・コントロール
実績と計画の差異を監視し、必要に応じて対策や対応をするプロセス
5. 終結
プロジェクトで生み出した成果物を正式に受け入れ、プロジェクトを公式に終了するプロセス
知識エリア
1. 統合
プロジェクト全体の進行を管理する中心的な分野。他の9つの分野のプロセスや活動をまとめ、調整するために必要なプロセスと活動
2. スコープ
最終的に生み出すモノやサービスなどの成果物と、必要な作業と範囲を明確にするプロセスと活動
3. スケジュール
所定の期間内にプロジェクトを完了させるために必要な、スケジュールの管理や調整などのプロセスや活動
4. コスト
所定の予算内にプロジェクトを完了させるために必要な、スケジュールの管理や調整などのプロセスと活動
5. 品質
プロジェクトで生み出すモノやサービスなどの成果物の品質と、作業自体の品質を管理するためのプロセスと活動
6. 資源
プロジェクトに必要な資源を決め、その資源を最大限活用できるよう働きかけ、活用できているか見張るためのプロセスと活動
7. コミュニケーション
ステークホルダーとのコミュニケーションを円滑に進めるために、必要な情報収集、用意、保管、配布などのプロセスと活動
8. リスク
プロジェクトに関するリスクに備え、チャンスを活かすために必要な、リスクの特定、分析、対応、管理や調整などのプロセスと活動
9. 調達
作業を実行するために必要なサービスやモノを外部から取得・購入あるいは委託、管理などのプロセスと活動
10. ステークホルダー
プロジェクトを確実に進めるために必要な、プロジェクト関係者の特定、関係者からの影響の分析、対応、管理、調整などのプロセスと活動
三匹の子豚
計画が一番大事ということを伝える章。
当然と言えば当然だが、とにかく始めるというのは失敗の原因になってしまうので、計画を立てましょうというお話。
ステークホルダー
ここでいうステークホルダーは三匹の子豚のお母さんで、実際にはプロジェクトの関係者を指します。
メンバーであったり、スポンサー、顧客、ユーザーなどです。
彼らに対して、常に関心度と、権力でのマトリックスで分析して、必要に応じて話をし情報を集めるというのは大事です。
今回でいうと、家を作るという作業において、お母さんの発言は大きいものです。
そのため、三男の子豚はお母さんに何度も仕様の確認であったり、どのように進めるかのアドバイスを求めに行きました。
こうしたアドバイスを適切な人にもらうというのはステークホルダーと共に進行していると言えますね。
また、相談事の例として、目的地と進路というのがあります。
キックオフミーティングなどを通して、メンバーと目的地の認識合わせをし、頑張るぞという打ち合わせをするなどして共通認識を持つことが大事になります。
そのために、5W1Hを利用するとよさそうです。
何の目的で? なぜ必要なのか? 何を持って完了か? 優先されるべきものは? 目標は簡潔か? 記録しようとしているか?
時間のスケジュール
それぞれの作業が終わる時間の見積りを行うために、WBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャ)を作ります。
これにより、それぞれの作業を細かく割り、時間見積りがしやすくなります。
当然、プロジェクトは1人で行う訳ではないので、その作業に見合うよう、人員の調整が必要になります。
そのためにも、社内などであれば政治的なものも含めて、人員な確保にも行動する必要があるでしょう。
クリティカルパス
絶対に遅れてはいけない作業。
作業時間が長く、これが遅れると全体の進行が遅れてしまうようなタスクのことです。
自分が作業する上で、その作業がクリティカルパス線上にあるのかどうかを把握するだけでも、心構えが変わってきますね。
マネジメントする方も、それぞれのタスクの重要度を洗い出したのち、WBSを作成する助けになります。
リスク
計画と実態はよくズレるものです。
期待と現状もギャップがあります。
このズレこそがリスクになります。
そのため、このリスクをあらかじめ洗い出す事ができれば、事前に対応ができます。
それには
- チームの人と話、洗い出す
- アイディアをまとめ、投票でアイディアを選ぶ
- 専門家へアンケート調査、意見をまとめる
- 作業に対して、問題がないか常に確認・質問をする
などの対応ができます。
また、リスクへの対応として
- 予防策と、起きた時の発生時対策を決める
- 起きた時の発生時対策を決める
- その都度、判断する
- 無視しても可
などの候補を出しておく必要があります。
具体的な対応策として
などがあげられます。
大事なのは、「困った…どうしよう」という状況を作らないように尽力することです。
ズレに対して
プロジェクト進行のズレに対しては
- 並行で作業を進める方法(ファスト・トラッキング)
- 資源(人、お金など)を追加することで、所要時間を短縮する方法(クラッシング)
などがあります。
上記を行うための、別の問題なども発生することも考えられますが、うまく調整するためには上記を行うしかない場面もあるでしょう。
スケジュール調整には常に手直しや、コストなどのリスクが伴うものです。
ウサギとカメ
目標への意識が大事という章。
チームで行うということについて書かれています。
チームについては別の本も読んでいるので、参考にしてください。
まず、チームメンバーでプロジェクトする際は、自分で目標を定めると自発的に動く方へ変わってくるという話があります。
SMARTの法則
- Specific: 具体的でわかりやすい
- Measurable: 計測可能で数字になっている
- Atteinable: 達成可能で、現実的になっている
- Relevant: プロジェクトでなすべきことや成果に特化している
- Timely: 期限が明確になっている
の法則になります。
優秀なマネージャーは完全な計画を立てる事は不可能と理解しているが、不確定要素が多いプロジェクトや仕事の大枠を理解しているので、プロジェクトを成功に導く要素も理解しています。
不確定要素については他の本にも書いてあるので参考にしてください。
やらないことを決める
このケースでは、ウサギはレースの途中で寝てしまいます。
そしてカメに抜かされて負けてしまいます。
この時ウサギは、「寝ない」という選択をするのではなく、寝るとしても「1時間以上寝ない」などのやらないことの範囲を決めてやるべきでした。
このように、やらないことと定めるということは重要になってきます。
明確にすることで、「寝ない」といった選択肢を取るよりも効率的に進めることができるかもしれません。
しかし、それにより出る影響などは考える必要があることを念頭に置いておかないといけません。
なぜの問いかけ
失敗が発生した時は、原因について「なぜ?」という質問を繰り返すことが大事です。
そして、なぜの後は「何?」という質問を繰り返します。
この時の注意は、問題を解決する、あるいは今後改善のために、視点を仕組みやシステムに向けることです。
また意識ではなく、行動に焦点を当てることも重要です。
桃太郎
不確実性に対してのチームの心得を説く章です。
不確実性については別記事の本でも紹介しています。
チーム全員が不安
不確実性に対しては、自分だけでなくチーム全員が不確実性に対して不安を感じています。
しかし、これにより逆に連帯感を生ませることができます。
マネージャーがプロジェクト関係者一人一人に声をかけていくなどし、不安要素に対して素直に懸念点などを語ることを通して、「不安なのは1人だけではない」ということを共有し、連帯感を生み出すことができます。
大事なのは、1人でプロジェクトを終わらせるということではなく、チームとして行い1、人でやろうとしないということになります。
何を期待するか
やる気というのは「自分で、目標を立て、計画し、実行し、達成感を得られる」という環境によって生まれます。そして、それを通して成長し、次のプロジェクトへ立ち向かいます。
そのため、メンバー1人1人が何を期待するのかを傾聴することが大事になります。
それにより、それぞれの価値観に対して、プロジェクト内でのポジションや役割などが決定し、プロジェクトに対する当事者意識を持って取り組み、お互いにwin-winの状態で成長することが可能になります。
権力
プロジェクトマネージャーは最初は権力が全くないところから始まります。
そのため、キックオフミーティングを開催し、ステークホルダー一人一人と密にコミュニケーションをとることで権力を獲得していき、影響力を身につけます。
マネージャーは最初から権力を持ってるように感じてる人もいるかもしれません。途中からチームに参画したりするとすでにある程度チームができている状態が多いので、マネージャーに権力がすでにある程度ついてることが多いためです。
しかし、プロジェクト初期にはほぼない状態から始まります。そして、継続的な強力を得るためには、重要な作業を達成したり、困難なことがうまくいった時にはお祝いしたり、個人的に感謝したり、ポジティブなフィードバックをすることが重要になってきます。
人を動かすために意識すべき6つ
- 味方になると考える
- 目標を明確にする
- 相手の世界を理解する
- カレンシーを見つける
- 関係に配慮する
- 目的を失わない
具体的な行動の計画を立てる際のNGワード
行動が曖昧な表現
管理する、監視する、把握する、確認する、チェックする、競技する、話し合う、議論する、調整する、調べる、研究する、勉強する、覚える、努力する、徹底する、図る、実践する、実行する、実施する、遂行する、運営する、推進する、進める、活用する、励む、踏ん張る、協力する、支援する、助言する、効率化する、有効化する、迅速化する、明確化する、定着化する、円滑化する、安定化する、共有化する、工場する、育てる、発展させる、企画する、浸透する、評価する
行動ではなく頭で考える表現
検討する、考える、意識する、心がける、頑張る、目指す
程度が曖昧な表現
具体的に、効率的に、明確に、ハッキリ、きちんと、しっかり、できるだけ、なるべく、もっと、可能な限り、極力、必要に応じて、積極的に、臨機応変に、迅速に、強調して
コンフリクト
人との対峙・対決はチームで行う上で起こるものです。
その時重要になるのは、聴く力になります。
相違点を洗い出し、対立の原因を特定し、目的を踏まえた上で納得し合意できる最適な方法を生み出すことになります。
コンフリクトの解消策は主に以下の5つ
- 矯正
一方的に押し付ける。長期的な効果がある。 - 鎮静
あまり大きな問題として扱わず、なんとなく妥協点が見出された暫定的対応。 - 妥協
当事者同士が互いに譲歩し、合意した方法。 - 対決・対峙
最適な方法。対立は消滅し、長期的な効果がある。 - 撤退
当事者の一方があきらめ、話し合いを拒否する最も悪い方法。再びコンフリクトが起こる。
ヘンゼルとグレーテル
不確実性に対しての対応策を説く章です。
ヘンゼルとグレーテルという2人の子供に対し、継母ときこりは森の中に置いてくるという行動を行うも、継母ときこりの目的がズレていたため、ヘンゼルとグレーテルは回避策を行い一度失敗してしまいます。
その後結局、回避策を準備する間もなく、もう一度森に置いていかれてしまい、魔女に遭遇。魔女の企みにも回避策を行い、助かるという話です。
リスクに対する発生率と影響度
リスクに対しての発生率とその影響力により、マトリックスを用意できます。
発生率が高く、影響度が高いものは優先度を1とし
発生率が低いが、影響力が高いものは優先度を2とするなど
それにより、対応すべきリスクへの対応策が具体的になっていきます。
そして、大事なことはリスクの対応が終わったあとに、再評価することにあります。
記録に残し、振り返りとするということも大切になります。
継続的な再評価を心がけます。
プロジェクトが変化し続けることによるズレ
変化し続けるということは、当初の計画より実績がズレてきます。
これは避けられないことでほぼ必ず発生すると言っても良いほどだと思います。
変更に対応するためにも、必ず変更に対して上司に相談したりステークホルダーと話すなどをして承認を得ることも大事です。
また、自分がどれくらい把握しているか、持っている知識や経験がどこまで活かせるかなどを、客観的に分析します。
しかし、現状把握や目標、成果物、リスクが曖昧だと共通認識を持つことが難しいです。
そこで、「ということは?」という質問を繰り返すことで、具体化していきます。
曖昧な点に対しては、ということは?と自問自答を繰り返し、時には「だから?」「どうやって?」を交えていくと良いです。
問題がない or 問題を隠すことが問題である
何か問題が発生した時、発見者が対応しなきゃいけないであったりとか、発見者が1人で解決しないといけないという文化は、問題を隠してしまう問題にも繋がります。
その問題は、発見者のみに関係するものではなく、他にも影響がありそうであればそれはチームに報告し、チーム一丸となって解決に取り組まなければならないので、そういった文化作りというのは非常に重要になります。
発見者だけが、悩み抱え込むということを回避するためにも、ルールやプロセス、体制を作ることが必要になります。
リスクを味方に
リスクは悪いことだけではありません。
リスクを活用することもできます。例えば、ヘンゼルとグレーテルでは、帰れなくなった2人は魔女のお菓子の家に行きますが、魔女が2人を太らせて食べようとしていました。
そのことを知った2人は、食べられる危険性もあるが、逆に言えばしばらくの食料や寝床の確保ができたと捉えることができます。
その間に、魔女から逃れる方法を考え、無事逃げることができるわけです。
このような、チャンスに対するリスク対応策を行うにあたっての行動は以下の4つ
- 活用
チャンスを確実に活かす。資源投入により期間短縮をする。 - 共有
チャンスを最も活かせる第3者にうまくやってもらう - 強化
チャンスが発生する確率や影響度を大きくし、利益を得られるようにする - 受容
チャンスなら利益を普通に受け入れる
アリとキリギリス
コミュニケーションの大事さ。計画と実績のズレの確認を繰り返しの重要さを説く章です。
価値観や考え方の違い
チームメンバーはみんな考え方や価値観が異なるため、理解するのが難しい局面というのはあります。
それにより、メンバー同士の距離感のようなものが生まれてしまうこともあります。
それを避けるためには、「相手と自分の立場や状況が違う」「基準となる考え方が違う」といったことを認識することが大事になります。
自分以外は自分とは違うということを認識する(コミュニケーションを通じて相手の価値観や背景をする)ことで情報共有の効率が飛躍的に上がります。
問題解決に向けて
ミーティングの時間を厳守するなどの明確なルール決めにより無駄なミーティングを省いたり、シミュレーションをする上で、資源の制約や、スケジュールや見積もりをする中で新たな矛盾や課題が見えてきます。
そういった前段階として、チームと話合うことで対策や解決策を検討することができます。
そして、今後問題になりそうなところはチームと話し合うと言いましたが、聞くことで発見されることが多くあります。
メンバーの進捗には主観が入るものなので、その人の感覚でのスケジュールより、具体的な進め方、詰まった問題点など、より細かく聞くことにより詳細なスケジュールを作りやすくなります。
対応すべきか
問題があったとして、それを対処すべきか、緊急度はどうかというのも話し合うことが重要になります。
その中で、対応すべきと判断したものに対しては、しっかりアクションプランを立てることが重要になります。
具体的には、「誰が」「何を」「いつまでに」「どのレベルまで達成したら対応を終わりとするか」を明確にする。
長靴を履いた猫
人間関係に対して焦点を当てた章
第一印象
人は、言語的、聴覚的に理解できない場合、視覚的に理解することに重きを置くようになります。
そのため、見た目、ボディランゲージなどが重要になってきます。
そしてその時に受けた第一印象で人の印象がある程度決まってしまうので、ここで人間関係の一歩目となる印象を良くしておくということが重要になります。
自己開示
ジョハリの窓というものがあります。
- 自分は知っている
- 自分は知らない
といった二つの観点で分類した2*2のマトリックスを指します。
- 解放の窓 - 自分も知っているし、相手も知っている
- 盲点の窓 - 自分走らないが、他人は知っている
- 秘密の窓 - 自分は知っているが、他人は知らない
- 未知の窓 - 自分も知らないし、他人も知らない
この中で、解放の窓を広げていくことがコミュニケーション円滑への一歩になります。
まずそのためには、自分のことを知ってもらう必要があります。
そこで自己開示が重要となってきます。
長靴をはいた猫では、亡くなったお父さんとの思い出を、新しい主人と共有し、それをキッカケに共通理解を深めました。
このように同じ認識から広げていくという手段は有効そうです。
初対面の人の印象
信頼関係(ラポール)を構築することが重要になります。
を行うことで、自分の話を聞いてくれているという安心感や、理解してくれているという信頼感に繋がります。
話を聞く時の姿勢
自分の価値観や、経験を基に、何らかの返事をしようとしてしまうので、相手の話をしっかり理解するというのは実は難しいです。
そのため、自分の勝手な思い込みに左右されないで、相手基準で話を聞く姿勢が大事になります。
それには、「ありえるかもしれない」という気持ちで聞くのが良いです。
立場を理解する
立場が違う人の目線や、考え方は異なってきます。
人ぞれぞれに価値観があり、常識があるのと同様に、立場上変えざるをえない状況もあるでしょう。
そういう時の理解は難しいです。
そのために、相手の感情を理解することが重要になります。
相手の立場と状況を分かろうと努力し、何をすればこのコミュニケーションの目的を達成できるのかを考えることで、コミュニケーションをうまく行うことができます。
プロジェクトマネージャーの視点から見ると、各メンバーへの関心度を上げることになります。そうすることでメンバーそれぞれが当事者意識を持ちやすくなり、個人の行動に対するモチベーションが高まります。
そのため、プロジェクトマネージャーは個人の活躍によりどのようにプロジェクトが成功するのかというのを話し合うことが必要になります。
シンデレラ
ここでも、人との関わり方について説く章になります。
人との関わり方を分類分けする
関わり方を計画することが精神的ストレスにおいて重要になってきます。
そのために、ステークホルダー関与度評価マトリックスというものを作ります。
権力を縦軸に、関与度を横軸にしたマトリックスです。
シンデレラは、継母と2人の義姉に対して、このマトリクスを当てはめました。
- 要求を満たし満足な状態を保つ
- 注意深く対応する(最大限の努力)
- モニターする(最小限の努力)
- 情報を共有する
失敗の原因
多くの人は失敗の原因をまず自分のせい以外にします。
次のような原因があります。
「自分に能力がなかった」
「自分が努力しなかった」
「仕事が難しすぎた」
「運が悪かった」
この時、仕事が難しかった、や運が悪かったというのは失敗に対して恥ずかしいという気持ちがあります。これは悪循環に繋がります。
次も運が悪いかもなどの考えに陥りやすいです。
対して、努力が足りなかったと考えるようになると、次は頑張ろうというポジティブな考えになります。
これらを都合のいい風に捉えることで、自分のやる気を出すことにも繋がります。
余計な議論をしない
苦手な人や、合わない人というのは人間誰しもいると思います。
そういった人とも仕事をすることになることもありますし、避けられないことだとは思います。
ではどのように対処したら良いか。
まず、感情に振られないということです。イライラしながら接すると余計相手を不快にさせるだけで、状況が良くなることはありません。
シンデレラは継母とかと接する時、オウム返しや、一言だけ返答するなどを行いながら、余計な競争や議論をしないコミュニケーションをするようにしました。
まとめ
当書のイメージとしては、ページ数は多かったのですが、童話も挟まっていたり、文字も大きかったりでとても読みやすい本という印象でした。
比較的読みやすい本な上に、しっかり重要なポイントを抑えていてくれたので勉強になりました。
自分はマネジメント系やチーム、組織系の本はこれで4冊目になるのですが、1冊目の方でもスムーズに入っていけるのではないかなと思いました。